ちょっと面白いワーキングペーパーを発見したので。
日本の貯蓄は過剰なのか:あるいは欧米主要国の貯蓄が過少なのか
(1)我が国の貯蓄率は、時間選好率をゼロと仮定した場合3、最適貯蓄率に近くなるものの、時間選好率として実質金利を用いると、大幅な過剰貯蓄となる。一方、ドイツを除く欧米主要国では、70年代後半以降、時間選好率として実質金利を用いたケースで、実際の貯蓄率と最適貯蓄率が近くなる一方、時間選好率をゼロとすると過少貯蓄となる
(9)このように、従来みられた我が国の高貯蓄率は、長期間に亘る成長の極大化という観点からは決して過剰とはいえなかった。但し、その安定性に関しては、(i)欧米諸国が70年代以降経験してきた資本市場やコーポレート・ガバナンスの変化の到来が単に遅かった、及び(ii)我が国の家計貯蓄率が、所得を巡る不確実性の増大から上昇する局面では、政府支出の拡大(政府貯蓄率の低下)により、貯蓄率の一層の上昇(最終需要の一層の減少)に歯止めを掛けることが出来た、等の特殊事情に負う面が大きいように思われる。
つまりこれからは、時間選好率が上昇して、消費が拡大局面になるということですかね。
むしろ金融市場はさらに活性化すると考えたほうが良さそうかも。日本版401(k)こと確定拠出年金が始まって、個人も金融市場で重要なプレイヤーとなり、実質金利などに敏感になることでしょう。
高収入を得たければ資産をうまく運用するしかない、という時代はもう来ているわけだし、少しは金融の勉強もしないとなぁ。お金を沢山貯めている人がお金持ちなんじゃなくて、上手く運用益をあげている人がお金持ちということになるんでしょうね。