昨日、地元のBookOffに行って本をまとめて買い出してきました。100円コーナーにあるもの限定で見繕ったところ、こんな感じに。
・山田詠美「蝶々の纏足・風葬の教室」
・吉本ばなな「N・P」
・吉本ばなな「白河夜船」
・ダニエル・キイス「アルジャーノンに花束を」
・佐藤賢一「双頭の鷲」(上下)
今日は山田詠美「蝶々の纏足・風葬の教室」を読みました。
前々から読みたいと思っていたものだったので、念願叶ったりです。
んで端的に言うと、「蝶々の纏足」がとても気に入りました! こんなのとっても好きだw
なんか、主人公とえり子の様子が目に浮かぶように想像できて、午後の気怠い教室での二人の会話とかもう最高。山田詠美ならではの心の動きの描き方が、この作品は特に鮮やかだと思いました。
「風葬の教室」もかなり好きです。って言うと変人扱いされそうだけど、子供の目を通して細かい人の心理を描写していて、それがまた素晴らしいんですよ、って思いました。
以下、ネタばれを含みます。
「蝶々の纏足」の何がいいかって、瞳美のえり子に対する心理の変化の描き方がとても秀逸だということ。
『答えなくちゃ、いけない?』って言うシーンと、そこから繋がる瞳美を心配しているふりをし、えり子が探りを入れるシーンまでの流れが、もう素敵。
私は面倒臭くなって何度も頷いた。彼女は少し安心したように顔を上げた。頬の涙はもう完全に乾いて行方知れずになっている。
っていう部分が二人の関係をさりげなく浮かび上がらせるんですね。クールでビューティフルだわ。
「風葬の教室」は以前どっかの高校入試で題材として扱われていたのを見たことがあります。それも黒板消しで頭を叩かれるシーンだったのを覚えています。そのシーンの残酷さは目に余るものがありますが、その場面があるからこそ、最後心理的に逆転する場面が生きるんだなぁ、と今回思いました。初めて通して読んでみて、シーン一つひとつの意味がちゃんと繋がっているんだと、実感できたんです。
そしてどちらの作品にも言えることですが、山田詠美の作品はカッコイイと思います。うまく説明できないけど、カッコイイなと思ってしまうから不思議なんですよねー。
どちらも完成度高い作品なので、未読の方は是非読んでみてください。